ここんにちは!WCです!
WC Worksのブログをご覧頂きありがとうございます。
このブログでは誰にでも簡単に車を綺麗にできる方法やコツをお伝えしています。
今回の記事でも引き続き近々ヤフオクに出品予定の車の仕上げ作業の続きを行います!
前回の記事で飛び石で塗装が欠けてしまった部分のタッチアップを行いました。今日はタッチアップ後のボディの磨きの作業を行います!
ギアアクションポリッシャーについては過去の記事で詳しく解説していますので、詳しく知りたい方は是非そちらの記事も併せて読んで頂きたいのですが、簡単に説明するとバフ目が出にくく初心者の方にも使いやすいポリッシャーです。
ちなみに僕が使っているギアアクションポリッシャーはコンパクトツールのG-150Nです。ポリッシャーはコンパクトツールがおすすめです。
3ヶ月位前にポリッシング界(?)の重鎮ともいえる方と幸運にもお話させて頂く機会があり、その時に色々とお話を伺ったことがきっかけで磨きについて改めて考えるようになりました。
それまで僕は、
「研磨力抜群のシングルアクションこそが正義!」
「とりあえずシングルで肌を落として光らせる!」
「シングルで磨いてどうやってバフ目を出さないかが腕の見せ所!」
「シングルを使いこなせない奴なんでクソだ!(冗談です)」
という考えでした。
そんな僕の考え方に変化が訪れます。それは・・・塗装面を「削る」磨きと「潰す」磨きという2つの磨きを知ったからです。
「削る」磨きとは
まず、「削る」磨きとは書いて字の如く塗装面(クリア)を削って落としてしまうという磨きです。いわゆる「研磨」ですね。
それまで僕は磨き=研磨=削るなので、磨きとは塗装面を削ることだと考えていました。そしてこれに関しては一定方向に回転しパワーとトルクもあるシングルアクションとウールバフが一番向いていると思います。
以前から研磨力はシングルが1番だと思っていましたのでここの考え方は従来と同じです。
・削る磨きのイメージ。傷が入っている深さまで研磨して削り落としています
「潰す」磨きとは
僕の考えに変化をもたらしたのはこの「潰す」という考えでした。
それまで僕はギアアクションは、「研磨力はシングルに劣るがバフ目が出にくく使いやすい」=「削る力がシングルより弱いポリッシャー」という認識でしたが、その重鎮の方曰く、「ギアアクションは塗装面を削っているのではなく潰している」とのことなのです。「潰す」は言い換えると「均す」ともいえます。
傷やウォータースポットで荒れた塗装面を削り落とすのではなく、熱を加えて潰して均すということです。そうすることで削るよりも少ないクリア層を落としながら表面も整えることができるのです。
クリアは磨き続ければ当然無くなってしまいますから、できるだけクリア層を残したまま深い傷まで磨くことができれば理想なのです。
・潰す磨きのイメージ。クリア層はこちらの方が厚く残ります。
字や図でもなかなか伝わりにくいと思います。
穴だらけの砂場をイメージしてください。
その砂場を均すにはスコップやトンボを使って穴を埋めて整地すると思いますが、これに近いです。
そしてギアアクションでもバフの当て方やコンパウンドとの組み合わせで十分に磨けると聞き自分でも試してみた結果、依然のギアアクションのイメージとは比べものにならない位綺麗に仕上げることができました。
このブログの読者層
WC Works のブログやYouTubeチャンネルのコンセプトは、「誰でも簡単に車を綺麗にできる方法やコツ」です。
ということはこのブログや動画をご覧になって頂いている方はカーケアに興味のある方が多いはずです。このブログ以外にもアンテナを張っていろんな所から情報を仕入れている方もおられると思います。
そういった方たちの愛車は決して汚くないと僕は思うんですね。当然自分で洗車したり、中には磨かれる方もおられると思います。
僕は仕事柄色んな車を洗車したり磨きます。
仕事の割合としては新車よりも中古車の販売前の商品化が多いので、そんなに綺麗な車ばかりではありません。一般的に見て汚い車も沢山あります。
ぶっちゃけ、中古車の商品化の仕事はあまり割が良いとは言えません。
なので1台に使える時間は限られています。その中で外装だけではなく内装もクリーニングします。当然仕上がりも大事ですがそれと同じくらい大事なのが効率なのです。効率を求めた結果、シングルで肌を落としてしまった方が早いことが多々あります。そしてシングルの目は消さなくても見えなくする方法もあるのです。
なので僕のような仕事の場合はシングルアクションのポリッシャーは絶対に必要です。
・重症な塗装面。これをギアで仕上げるには途方もなく時間と根気が必要です
ですが、このブログの読者の方の愛車は違います。
塗装面がある程度綺麗な車の場合、わざわざシングルアクションを使って余計なクリア層まで削らなくても、ギアアクションでしっかり磨けば十分に綺麗になります。そしてそちらの方が磨く人間にとっても車にとっても優しいのです。
シングルアクションはリスクも高いですからね。。。
なのでシングルよりもギアアクションを使った記事や動画の方がより多くの読者や視聴者の方の参考になるのではと思い、最近はギアアクションをよくアップしています。そして今日の車もギアアクションを使って磨きます!
側面の磨き方
前置きがかなり長くなってしまいましたが、ようやく作業に入ります。
以前にYouTubeのコメント欄から、「側面を磨いているところが見たい」というリクエストを頂きました。ありがとうございます。
そういえばこれまでアップした磨きの記事や動画はボンネットやルーフなど上を向いているパネルばかりでした。
上を向いているパネルはダメージを受けやすいため傷みやすく、施工前後の違いがよくわかるためあえてそこを磨いていたのですが、かえって上を向いたパネルばかりになってしまっていたので、今回はリクエストにお答えする形で側面の磨き方を紹介します。
ギア×ウール×極細目
まずはギアアクションにウールバフ、そしてお馴染みの3Mの極細目のコンパウンドで磨いていきます。
最近の僕の磨きのトレンドですが、主に4つあります。
バフをゆっくり動かす
まず、バフはゆっくりと動かします。僕は元々比較的ゆっくり動かす方だと思いますが、最近はさらにゆっくりと動かすことを意識しています。特にコンパウンドがしっかりと残っている間は秒速2~3㎝くらいの超低速で作業します。
ゆっくり動かすのはしっかり熱を入れるためと、バフ目を残さない様にするためです。
面で磨く
そしてあまりバフの角を立てずに「面」で磨くことを意識しています。バフの全体でパネルを抑えるイメージですね。面で磨くためにはしっかりとバフ全体に圧が掛かるように押さえないといけません。
コンパウンドを残さない
これは以前からお伝えしていることですが、コンパウンドが無くなるまでしっかりと磨き込みます。コンパウンドを残しておくと、時間が経つと固まって取りづらくなるばかりか、そのコンパウンドを取ろうとして別の傷を付けてしまう可能性があります。これでは本末転倒ですね。
ですのでコンパウンドはなくなるまでしっかりと磨きましょう。もちろん一点を集中して磨き続けると焼き付きの原因になりますのでバフはゆっくりですが常に動かすようにしましょう。
バフは不規則に動かす
最後はこれも以前からお伝えしていますが、バフは不規則に動かしましょう。
ギアアクションでもしっかり磨けることに気が付いた半面、バフ目が出ることにも気付きました。特に濃色だとシングル程ではありませんが白くボケたようなバフ目が出ます。なのでバフを不規則に動かすことで少しでもバフ目が出るのを抑えるようにしています。最初から不規則に動かす訳ではなく、ある程度コンパウンドが無くなるまで磨いてからで構いません。
ギア×ウレタン×超微粒子
次にバフをウレタン、コンパウンドを超微粒子に変えてもう一度磨きます。
画像の車のように淡色の場合はバフ目が出ることはあまりないと思うので1回目の磨きだけでも構わないのですが、
少しでも仕上がりのクオリティを上げるために磨きます。
作業のポイント
この磨きでの作業のポイントですが、基本的には最初の磨きと変わりません。
ただし、1回目の磨きで傷やウォータスポットは除去できており、この磨きの目的は目消しと艶出しですので、先程と比べると1回で磨く範囲は広く、バフも先程よりは早めに動かしています。コンパウンドが無くなるまで磨き込んだら完成です。
側面を磨くときのポイント
まだブログでは記事にできていませんが、「磨きのサボリ方」という動画をYouTubeにアップしています。
その中で比較的力を入れて磨かないといけないところとそうでないところを説明しているのですが、ざっくりとお話をするとしっかり磨かないといけないのは上を向いているパネルや面です。
上の画像のドアの場合だと、プレスラインより上の部分は日光や雨のダメージを受けやすいので比較的傷んでいる=しっかり磨くとなります。
反対にパネルの下部になればなるほどダメージは少なくなりやすい=あまり磨かなくても綺麗になるということになります。
最近はドアパネルにプレスラインが入っている車が多いので、是非参考にして頂ければと思います。
それと、面で磨くにはしっかりバフを押さえないといけないとお伝えしましたが、側面は上を向いている面に比べてバフに力を入れて押さえるのが難しいと思います。そんなときはポリッシャーの握り方を変えてみてください。
上の画像のように右手の位置を変えてみると作業しやすいと思いますので是非お試しください。
完成!
他のパネルの磨きも終わり、磨きの作業が完了しました。この車を購入してから今が塗装面の状態は間違いなく一番いいです。2年位前にも全体を磨きましたが、その時よりも今の方が確実に技術もアップしていますしノウハウも蓄積されていますので。12年落ちの車でもしっかりお手入れをして磨けばここまで光ります。
車両概要
記事の冒頭でも少しお伝えしましたが今回の撮影で使用した車両は内外装の仕上げ作業後にヤフオクに出品予定になっています。
2006年(平成18年)式 BMW 3シリーズセダン(E90)
320i Mスポーツパッケージ
エンジン:直列4気筒DOHC 1,995cc
最高出力:150ps/6,200rpm
最大トルク:20.4kgm/3,600rpm
トランスミッション:6速AT
駆動方式:後輪駆動(FR)
乗車定員:5名
走行距離:109,192km(2018/10/23時点)
車検の有効期限:2020年2月28日迄
内装色:ブラック
シート表皮:ファブリック
まとめ
今回は最近の僕の磨きのトレンドと側面のパネルの磨き方についてお伝えしました。今日紹介した磨き方はもちろん側面以外のパネルにも使えますので是非ご参考ください。
次回は磨いて塗装面を整えたボディにガラスコーティングを施工します!
今回の記事の動画はこちら!作業のイメージは動画の方が掴みやすいかと思います!