こんにちは!WCです!
WC Worksのブログをご覧頂きありがとうございます。
このブログでは誰にでも簡単に車を綺麗にできる方法やコツをお伝えしています。
今回の記事でも前回に引き続き12月にヤフオクに出品予定の車の仕上げ作業を行います。
今回の作業はタッチアップ塗装を行います!普段僕が行っているクオリティが劇的にアップする方法をシェアしますので是非最後までご覧ください!
まず、そもそもタッチアップとは何ぞや?という方もおられると思いますのでそこから説明します。自動車でのタッチアップというのは主にタッチアップペンで小傷を塗装して補修することです。(野球でもタッチアップという言葉がありますが意味は全く違います)
・タッチアップペン。カー用品店やホームセンターで売ってます
色んなメーカーから各自動車メーカーの純正色に合わせたカラーが発売されています。
どんな時にタッチアップするの?
ではどんな時にタッチアップを行うのかということですが、先程お伝えしましたが、ボディに小傷ができた場合です。具体的には、飛び石などで塗装が少し欠けてしまったり磨きでは取れないような深い傷ができてしまった場合ですね。一番仕上がりが綺麗なのは板金塗装ですが、そこまでする程でもない、でも傷は気になる・・・そんな場合にタッチアップを行います。
・飛び石でできた傷。板金塗装しようとは思いませんが傷は気になります
タッチアップの目的
タッチアップペンによる補修の目的ですが、大きく2つあります。
傷を目立たなくする
1つ目の目的は、傷を目立たなくすることです。傷が気になるのでタッチアップする訳ですから、当然ですね。塗装には及びませんがタッチアップすることで傷を目立たなくすることができます。1つ目の目的は見た目=外的要因ですね。
防錆
続いて2つ目の目的ですが、防錆です。ボディの塗装の下の素材には大きく分けて鉄板と樹脂に分かれます。塗装面に深い傷が入ると素材が剥き出しになってしまいますが、鉄板の場合はそのまま放置しておくと錆が発生してしまうのです。
タッチアップのクオリティを劇的にアップする方法
今日の本題であるタッチアップのクオリティを劇的にアップする方法を説明します。
まずは下の画像をご覧ください。
ボディの表面(塗装面)が飛び石などで欠けてしまった状態のイメージ図だと思ってください。タッチアップが必要な状態ですね。
そしてタッチアップを行うと・・・
タッチアップを1回行った状態だと思ってください。傷の広さや深さにもよりますが、1回のタッチアップでは塗膜が薄くまだ表面は凹んで段差がある状態のままなのです。1度に厚塗りする方法もありますが仕上がりや乾燥、硬化のことを考えるとお勧めしません。
タッチアップは1度ペンで塗って終わり!という方が多いかもしれません。が、それでは何もしないよりは全然マシなのですがクオリティの部分では物足りないと言わざるを得ません。
ではどうやってクオリティを上げるかというと・・・
1度ではなく何回もタッチアップを繰り返し行い少しずつ塗膜を厚くしていきます。タッチアップが終わった状態では少し膨らんでいる状態がベストです。
そこから・・・
磨くことによって膨らんだ部分を均します。こうすることによって塗装が掛けた部分にだけ塗料が入って見た目も違和感がなくなりしっかり防錆もしてくれるのです。
という訳で前置きが長くなりましたが今日はこの作業をやっていきます!
今日使う道具はこちら!
それでは今日の施工で主に使用する道具を紹介します!
タッチアップペン(塗料)
まずはタッチアップペンですね。これがないと始まりません。車の色に対応したものを準備してください。
塗装用毛筆(油性)
続いて塗装用の毛筆です。タッチペンにも筆が付いているものが多いですが、先が太かったり広がっていたりする場合があります。塗りたくないところや必要以上に塗料が付いてしまうので毛先が細い毛筆があれば細かい部分も作業がしやすいのでおすすめです。
ただし水性だとすぐに毛先がボロボロになってしまうので油性のものを準備してくださいね。ホームセンターで200円くらいで売ってると思います。
サンドペーパー(#2000)
そしてサンドペーパーです。2,000番のものを用意してください。これはタッチアップが終わった後の粗研磨で塗膜の山を削る時に使います。
上記以外にもシリコンオフやポリッシャーなども使いますが、タッチアップで使用するのは主にこの3つです!
やってみよう!
脱脂
まずタッチアップを行う場所の脱脂を行います。シリコンオフなどで脱脂してください。施工前のシャンプー等で脱脂できている場合はこの工程は省いてOKです。
ちなみに傷の周りにバリがある場合は脱脂前に#2000のサンドペーパーで研磨してバリ取りをしておくとさらに仕上がりがよくなります。
・脱脂が終わった状態。これからタッチアップしていきます
タッチアップ
続いて毛筆でタッチアップを行います。一度に厚塗りしようとせずに薄く塗ることがポイントです。厚塗りしてしまうと「塗った感じ」が出てしまいますし塗料の乾燥と硬化にも余分に時間がかかるばかりか、最悪塗装の「縮れ」が発生する場合もあります。
塗り終わったら乾燥させます。遠赤外線ヒーターやヒートガンがあればベストですが、自然乾燥でも構いません。乾燥時間は季節にもよりますが2~5時間くらいです。寒い方が乾燥に時間がかかります。実際には塗料が完全に硬化するのには1週間くらいかかるのですが、そんなに待っていられませんので表面が乾けば次のタッチアップを行いましょう。
・5回のタッチアップと乾燥が終わった状態。傷の部分は塗料で膨らんでいます
粗研磨
次に膨らんだ塗料と周りを面にするために、サンドペーパで研磨します。膨らんだ傷の部分を中心にやさしく、だがしっかりと研磨して塗料を削っていきます。
粗研磨を行う理由は、まずペーパーで塗料を落としてからポリッシャーで磨かないとタッチアップしたところと周りの塗装の段差が大き過ぎてタッチアップした部分が落ちるまでに先に周りの塗装を剥がしてしまう可能性があるからです。
2000番のサンドペーパーを空研ぎで使用します。水研ぎにしない理由は研磨力が強くなるのと水分で表面の状態が確認し辛くなるためです。ただしそれなりに研磨しないと塗膜は落ちてくれません。ただし研磨しすぎると塗装が無くなってしまいますので注意してくださいね。
1500番や1200番のペーパーを使ってもよいのですが、研磨力が強すぎてあっという間に塗装を剥がしてしまう可能性があること、そしてペーパーの目消しの工程が増えてしまうことから難易度が高くなりますので初心者の方にはおすすめしません。時間がかかりますが2000番の空研ぎがベストだと思います。
上の画像は粗研磨が終わった状態です。塗料の山がほとんどなくなっているのが確認できるかと思います。そして2000番のペーパーでもここまでしっかり傷が入ります。
前回の記事でもお伝えしましたが、こんな傷を自分の愛車に自ら付けるのでボディにペーパーを当てることに抵抗がある方もおられると思いますが、この程度の傷であればポリッシャーの磨きでも余裕で消えます。気合いを入れれば手磨きでも消せます。
磨き
粗研磨が終わったら、最後にポリッシャーで磨きを行います。磨きで熱を入れることによってタッチアップの塗料を周りに溶かして同化させるイメージです。
道具の組み合わせはギアアクション×ウールバフ×極細目のコンパウンドで磨けば#2000のペーパー目を消すことができます。
シングルアクションを使ってもよいのですが、この車は塗装面の状態がそれほど悪くないので不必要に塗膜を薄くしたくなかったことと、2000番のペーパー目であればギアアクションでも十分消せること、そしてより扱いやすいのはギアアクションポリッシャーなので多くの方の参考になるかと思いこの組み合わせで作業しました。
作業のポイントですが、タッチアップしたところばかりを磨くのではなく、周りもまんべんなく磨くということです。ペーパー目を消そうと1ヵ所を集中して磨いてしまうと周りとの塗膜に差ができてしまいますし、熱が高くなり過ぎて焼き付きの原因にもなります。最悪塗装を剥がしてしまうおそれもありますので、タッチアップの部分だけでなく周りも磨きましょう。先にお伝えした通りしっかり磨けていれば2000番のペーパー目は簡単に消えます。
万が一ポリッシャーをお持ちでない場合は、マイクロファイバークロスにコンパウンドを付けて擦り倒してください。少々気合いと根気は必要ですがこの方法でも何とか消せます。ただし手磨きはムラが出やすいのでポリッシャーを使った方が仕上がりは断然よくなります。ギアアクションが1台あれば一般の方が普通に車を綺麗に維持するには十分ですので、お持ちでない方は是非ご検討くださいませ。ポリッシャーはコンパクトツールがおすすめですよ。
手っ取り早く要点をサクッと学びたい方は車磨きの教科書がおすすめです。コスパ、タイパともに抜群です。無駄なお金と時間を使わず最短最速で基本を固めてしまいましょう。
完成!
磨きが終わった後の画像です。ほとんどわからなくなりました。本来であればこの後目消しと艶出しのためにバフをウレタンに変えて超微粒子のコンパウンドでもう1度磨くのですが、タッチアップの施工はここまでですので今回は割愛します。
まとめ
今回は仕上がりのクオリティが劇的にアップするタッチアップの方法をお伝えしました。ただ塗るだけではなく、ひと手間加えることで仕上がりがグっとアップしますので是非ご参考ください!
次回は今回タッチアップを行った部分以外の塗装面を磨いていきます!
今回の記事の動画はこちら!作業のイメージは動画の方が掴みやすいのでおすすめです!